酒場の喧騒の中で麒麟麦酒を片手に紫煙をくゆらせながら思案する。
スライム退治からこの道に入った我々も下位神魔と闘えるくらいには強くなった。
一軍をさらに鍛えあげるか。
それとも平均的に能力の底上げを図るか。
満遍なくこなす器用貧乏より、冒険者には尖った強さが必要ではないか。反面脆さもあるが、そこは編成で補うべきだ。
次の煙草に火を点けようとした時にファリアが来た。
ファリア エルフ
「マスター、迷いの森でこのような物を見つけました」
またゲオルグと2人の世界に入っていたようだが、いちいちそれに口を出すのも野暮というものだ。
それにしても コレはなんだ?
「人間、こいつを知らないのか?こいつは魔造生物の★踊る人形だ。」
「見ての通り尖った奴だが、組み上げてまともに闘えるかどうかは未知数だ。それよりも合成する事で小人たちの専用装備が出来るぞ」
確かにミラクルシールドと合成することでピグミーチャムの専用装備が出来るようだが、生憎我がギルドの宝物庫にミラクルシールドは無い。黄山の麒麟が落とすらしいので狩りに行くことにした。麒麟麦酒を一気に飲み干して向かう。
黄山で粘ること7日。
ようやくミラクルシールドを拾った。
鍛冶屋に持ち込み合成する。
ようやく完成した。なかなかの強さである。
今夜はギルドメンバーに麒麟麦酒を振る舞おうじゃないか。
ファウスト卿も気に入ってくれればいいが。